経営事項審査の加点(評点)とは?
建設業者の方が公共工事を受注するためには入札参加資格を取得しなければなりませんが、そのためには、まず先に経審(経営事項審査)を受ける必要があります。
公共工事の各発注機関は、競争入札に参加しようとする建設業者について資格審査を行うこととされており、その発注機関は客観的事項と主観的事項の審査結果を点数化し、順位付け、格付けを行います。
このうち、客観的事項の審査が「経営事項審査」です。この審査は「経営状況」と「経営規模」、「技術力」、「その他の審査項目(社会性等)」を数値化し、評価するものです。
この数値化したものを「評点」といいますが、この評点は主に次の指標を元に付けられています。
【X1:完成工事高評点】
完成工事高評点のX1は経営規模を表す指標で、1,000万円未満から1,000億円以上までの42区分に分けて、建設業業種区分ごとに評点が決まります。
完成工事高の平均年数は2年又は3年のどちらかを選択します。
【X2:経営規模評点】
経営規模評点のX2は、経審のうち経営規模を表す指標の1つで、 自己資本額点数と平均利益額点数から算出します。
自己資本額は、貸借対照表の純資産合計で、2年平均するかしないかを選択できます。
平均利益額は、利払前税引前償却前利益の2期平均値(審査基準年と前期の平均値)です。
【Y:経営状況評点】
経営状況評点のYは、経審のうち経営状況を審査する評点です。
主に建設業財務諸表から経営状況評点Yを算出します。
「負債抵抗力」「収益性・効率性」「財務健全性」「絶対的力量」の4つについて、それぞれ2指標ずつ、合計8指標から経営状況評点Yを算出します。
「経営状況点数」は次の8指標で算出され、最低点は0点、最高点は1,595点です。
・X1:純支払利息比率
・X2:負債回転期間
・X3:総資本売上総利益率
・X4:売上高経常利益率
・X5:自己資本対固定資産比率
・X6:自己資本比率
・X7:営業キャッシュフロー(絶対額)
・X8:利益剰余金(絶対額)
※利益剰余金は個人の場合、貸借対照表の純資産合計になります。
【Z:技術力評点】
技術力評点のZは、経審のうち技術力を審査する評点で、 技術者の資格と元請完工高から業種区分ごとに評点を算出します。
【W:その他評点】
その他の審査項目(社会性等)評点Wは、経審のうち社会的貢献度等を評価します。
次の点数を合計したものに(10×190/200)を乗じたものを評点Wとします。
・労働福祉点数
・営業継続点数
・防災協定点数
・法令遵守点数
・建設業経理点数
・研究開発点数
・建設機械保有点数
・国際標準化機構登録点数
・若年技術者育成確保状況点数
・知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況点数



