経営事項審査の「経営状況評点Y」とは?
建設業者の方が公共工事を受注するためには入札参加資格を取得しなければなりませんが、そのためには、まず先に経審(経営事項審査)を受ける必要があります。
経審では、審査において経営状況、経営規模、技術力、その他の審査項目(社会性等)を数値化した「評点」として評価されますが、そのうちの経営状況の数値として「経営状況評点(Y)」があります。
「経営状況評点(Y)」とは、主に建設業財務諸表を元に「負債抵抗力」「収益性・効率性」「財務健全性」「絶対的力量」の4つについて、それぞれ2指標ずつ、次の8指標によって算出されます。
【負債抵抗力】
負債抵抗力は、数値が小さいほうが評価されます。
①X1:純支払利息比率
(支払利息-受取利息配当金)/売上高×100の式で、割合(%)が算出されます。
②X2:負債回転期間
負債合計/(売上高÷12)の式で、期間(月)が算出されます。
※「ゼロ国債工事」や「地域建設業経営強化融資制度」は、金融保証金額を負債合計から控除することができます。
【収益性・効率性】
収益性・効率性は、数値が大きいほうが評価されます。
③X3:総資本売上総利益率
売上総利益/総資本(2期平均)×100の式で、割合(%)が算出されます。
④X4:売上高経常利益率
経常利益/売上高×100の式で、割合(%)が算出されます。
※総資本は、貸借対象表の負債純資産合計です。
※総資本(2期平均)が3,000万円に満たない場合は、3,000万円とします。
※個人の場合は、経常利益ではなく、事業主利益を使用します。
【財務健全性】
財務健全性は、数値が大きいほうが評価されます。
⑤X5:自己資本対固定資産比率
自己資本/固定資産×100の式で、割合(%)が算出されます。
⑥X6:自己資本比率
自己資本/総資本×100で算出されます。
※自己資本は貸借対照表の純資産合計です。
※連結決算の場合は、純資産合計-少数株主持分になります。
【絶対的力量】
絶対的力量は、数値が大きいほうが評価されます。
⑦X7:営業キャッシュフロー(絶対額)
営業キャッシュフロー(二期平均)/1億の式で、金額(円)が算出されます。
⑧X8:利益剰余金(絶対額)
利益剰余金/1億の式で、金額(円)が算出されます。
※利益剰余金は個人の場合、貸借対照表の純資産合計になります。
上記の8指標によって、経営状況評点Yは、167.3×A(経営状況点数)+583で算出されます(小数点以下第1位は四捨五入されます)。
なお、経営状況評点の最低点は0点、最高点は1,595点です。



